熱が出たその4 抗生物質

アレクサンダー・フレミングの写真。誰かににてるんだけどなぁ・・・

よく耳にする抗生物質とは微生物が作ったもので、ほかの微生物の発育を阻害する物質です。1928年アレクサンダー・フレミングがアオカビから見つけたペニシリンが世界初の抗生物質で、発見から10年かかりましたが、実用化されるとストレプトマイシンなどの抗生物質を用いた抗菌薬が次々と開発され、それまで不治の病として恐れられていた結核も治るようになり、人類の医療に革命をもたらしました。ペニシリンの開発は20世紀でもっとも偉大な発見のひとつで「奇跡の薬」と呼ばれています。

さて、たびたびの扁桃腺の腫れからおこる発熱に悩まされていた私ですが、歯医者さんでたびたびもらっていた、抜歯後の化のう止めの薬が、抗生物質を含んだ薬で、扁桃腺炎にも効果があることを知ります。いまでも販売されていますが「医者からもらった薬がわかる本」という本を購入し、これは何という薬だ?という疑問を持って薬を調べ始めたからです。引き出しをあけると、飲まずに保管してあった薬がたくさん出てきました。それをくまなく調べ、医者に行かなくても治せるかも・・・そんな思いに駆られます。

また例のごとく咽が痛み出してきました。ためしに、歯医者さんの抗生物質を飲んでみました。よく効きました。「これはいい!」そう思った私は、少しの異常を感ずると、余っていた抗生物質を服用し始めます。しかし、次第に量を増やさないと効きが悪くなってきます。引き出しにあった色んな種類の抗生物質を服用します。そんなある日、浄化槽の点検の方から意外なことを告げられます。「御家族の方で、どなたかとても強い薬を飲んでいますね。浄化槽の菌が全て死滅しています。気をつけたほうがいいでですよ」

張本人は私です。・・・浄化槽は土をひとつかみいれると菌が繁殖するそうで、浄化槽は大事には至りませんでしたが、私の体に大きな変化がやってきます。扁桃腺が腫れっぱなしで、薬がどれも効かなくなってしまったのです。ひどい感染症でもないのに抗生物質を服用していたため、体の中で「薬剤耐性菌」を育ててしまっていたようです。そしていつものように熱が出ます。抗生物質は全く効きません。治療はもっぱらビタミン注射、および風薬・・・・幸い2週間ほどで完治し、事なきを得ましたが、医者には自分勝手に抗生物質を服用したことは言えませんでした。

これを機会に、飲み残した薬は全て廃棄することにしました。なにしろ浄化槽の細菌を全て死滅させてしまう薬です。そして飲み続ければ耐性菌ができてしまう。熱を出さなくするには他に方法があるはずです。この出来事が、やがては禁煙につながっていきます。

抗生物質についてWHOやCDCはガイドラインを作成し、その適切な利用を呼び掛けています。厚生労働省も2017年、ガイドライン第1版を公開して、感染症でもないのに使用することを戒めています。

薬はむやみに飲むものではないようです・・・・・・

こちらは1992年結成のビジュアルバンドの「ペニシリン」画像検索すると真っ先に出てきます。抗生物質ではありません