トトロが見えるころ

母の母、私の母方の祖母は現在の渋川市の近くで生まれます。生家は代々祈祷師の様な事を生業としていたと聞いています。いわゆる「きつねつき」を追い払う巫女さんの様なものだと思います。そのような家系からか、母はいわゆる霊感が強く、父の母が死後父に会いに来ていたとか、母の父が亡くなるのを予言したりとか、たくさんの体験談があります。わたしも幼稚園生のころまでは、そんな経験が何度かあり、亡くなった爺さんに道で会ったりしたこともありますが、小学生になってからは、全くそのようなことには、めぐり合いませんでした。

私の長男が3歳の頃の話です。日光東照宮の参道で、鳩笛を売ってらっしゃる方がいます。何度か日光も訪れていたので、鳩笛なるものはどんなものか知っていましたが、長男は、鳩笛がどんなものか知る由もありません。ですが、ある日突然「鳩笛がほしい」と言い出します。たぶん日光でしか買えないだろうなと思いながら、「今度ね」と言ってなだめます。その時はなぜ鳩笛を知っているのか、全く疑問に思いませんでしたが、次の日、度肝を抜かれる出来事が起こります。母からの荷物が届きました。季節が春でしたので、山菜が入っている様子。早速あけてみます。真っ先に目に入ってきたのは「鳩笛」

長男は目ざとく見つけ「鳩笛だ!ばーちゃんが買ってくれたんだ!」そう言うや否や吹いて遊びだしました。

なんで、母は長男が鳩笛をほしがっているのを知っているんだ?そう思いながらの電話、「洋平(仮名です)がほしがっているから買ってきた」そういうのです。長男に質します。「なんで、鳩笛を知っているの?」長男曰く「ばーちゃんが夢で教えてくれた」・・・・?????

さっぱりわけがわかりません。母にさらに尋ねると、夢で長男に鳩笛を教えたこと、次の日の夢で長男が鳩笛をねだったこと・・そんなことが分かってきます。どうやら、母と長男はおんなじ夢を見ていたらしいのです。そして、鳩笛を買うために父と日光に出かけたとのこと・・・

母と長男は60kmも離れているのに、夢で会話したようです。にわかに信じられませんでしたが、二人とも同じことを言っているのは確かでした。

その後、長男はそのような体験をすることはありません。トトロと同じように、子供にしか体験できないことのようです。

ご存じ!トトロの一場面