安平に告ぐ!
今は深谷バイパスができて旧17号を通ることも少なくなりました。その昔は、関越道もなく、現在の旧17号は唯一の幹線道路でありました。
深谷市の国済寺付近はトラックが止まれる大きな駐車場を持った食堂が数多くあり、運転手もここで昼食をとることが日常でもありました。
表題の安平は、運転手の名前です。本人いわく相撲部屋に居たそうで、稽古に耐えられずそうそうに引退したそうです。相撲部屋にいたということもあって、身長はあまり高くないのに横幅は普通人の倍はあります。小錦を小さくしたような体型です。
トラックに乗るとハンドルがおなかにくっつきます。シートベルトはできません。そしてよく食べました。一日に5食・・・給料は大半が食費に消えていたようです。
仕事が埼玉県内の配達が多かったので、よく深谷市の国済寺付近で昼食をとっていたようです。
ある日のこと運転手の山村さん
「課長!!!○○食堂にすごいこと書かれているよ!!!」
「なに?????」
「安平がさぁ!!無銭飲食したんだってさぁ!!コンパネいっぱいに(▲▲産業の安平に告ぐ!未払いの食事代98,700円ただちに払え!)って大きく書いてあるよ!!」
どうやらその看板はすでに運転手仲間の間では有名なようで、そしてその話題は運転手から色んな運送会社の間で拡散したようで、社長の耳にも入ったようです。
「常務!!安平の金払ってきてくれ!××運送の社長に(給料はらってねぇんじゃねぇの?)と言われてからかわれた!みっともねぇから今から行って看板はずしてきてくれ!」
常務も知っていたようですが・・・・・
その日のうちに常務が謝罪に行き、ことは収まったそうです。
安平君、○○食堂でいつも食事をしているうちに馴染みになったそうですが、給料日前になると、つけにしてもらっていたそうです。そして時とともにつけが大きくなっていたようです。とうとう払えなくなって3か月の間しらばっくれていたとのこと。つけは常務が立て替えたのち半年かかって給料から差し引くことになりました。
相撲の世界では全くものにならず引退した安平君ですが、大衆食堂で10万円近くつけをためるとは・・・
つけは横綱でした。