父のシャケ 父と嫁その1の補足

父と嫁その1をだしたら、妻から指摘がありました。「お父さんがなんでシャケの皮が最高においしいと思うのか書いてないよ」とのこと。

そんなわけで父のシャケについての補足です。

結婚してから毎年、暮れには実家に新巻鮭を届けていました。前橋の角上で一番大きな新巻鮭を選んでは父に届けたものです。父は受け取ると満面の笑みで秤にかけます。「今年は5kgか・・去年よりも大きい」そう言いながら手帳に日付と重さを記入します。

父は新巻鮭を大きな水槽で洗います。そのあと何日か水につけ塩が抜けるのを待ちます。そのあと頭に縄をとおしてベランダにつるします。水上の暮はすでに雪も降り始めていて、吹く風はとても冷たく、つるされたシャケは1週間もするといい感じに干しあがります。父は仕上がったシャケを半身にしてから小さな切り身にします。シャケの半分は私の家の分として戻ってきます。

なんでも新巻鮭の処理の仕方は新潟の村上市の知り合いから教えてもらったそうで、仕上がったサケは塩ほとんど抜けていて、おいしいシャケの切り身になっています。このシャケの皮は私にとっても美味しく感じられる代物です。シャケの皮が最高にうまいと思う父に同調できる代物なのです。ですから父は妻に最高にうまいものをと思ったのでしょうが、あいにく、妻にはシャケの皮は捨てるべきものであったようです。