白髪太夫
実家の裏には大きな胡桃の樹がありました。いわゆる「かし胡桃」の木で秋には大きな胡桃が収穫できました。私が小学校の高学年になったころ、この胡桃の木に厄介なものが住み着きます。白髪太夫という大形の蛾の幼虫が毎年多量発生してしまうようになります。ちなみに白髪太夫はクスサンという蛾の幼虫の地方名で、クリに良く発生するので「栗毛虫」と呼ばれているほか、幼虫の体の上面に生える白色の長毛から、シラガタロウ(白髪太郎)、シラガタユウ(白髪太夫)などのニックネームがあるなど、地域によっては色々な呼称があるそうです。全国の昆虫方言を集めた昆虫方言名辞典には20以上もの呼称が採録されており、かつてはなじみの昆虫だったようです。
この白髪太夫の食欲はすさまじく、4〜7月に出現した幼虫は集団で胡桃の葉を爆食しまたたくまに木は丸裸になってしまいます。かつてたくさんとれた胡桃の実も葉がなくては数えるほどしか収穫できなくなります。そんな毎年の繰り返しに疲れ果てたのか、胡桃の木は私が二十歳のころ枯れてしまいました。
「白髪太夫のせいで丸裸になった木」
子供心に憎かった白髪太夫ですが、あれ以来見かけなくなりました。農薬や噴霧器の充実もあり民家のそばには住めなくなったようです。
ミントグリーンのその容姿は、決して醜い姿、色では無いようとも思えるのですが・・・・・だけど害虫
こんな写真載せて、虫嫌いの人には今回は深くお詫びします