稲垣来泉とさんま イメージの詩

表題は6月11日に公開された明石家さんま企画・プロデュースの劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』の主題歌です。以下さんまのコメントです。
「ドラマ『Jimmy~アホみたいなホンマの話~』の時に実感したことで、自分の体に染み込んだ歌でも、今の時代に伝わるんだというのがわかって「イメージの詩」も、何かしらの形で披露したいと思っていたんです。それで、吉田拓郎さんにご連絡をしてOKをいただいて、「女性に歌ってほしいので、歌詞も変えさせてもらいたい」と伝えたら「いいよ、いいよ、さんまちゃんの自由にして」と。それで、女性目線の歌詞にしようと思って、夜通し考えたけど、この曲は、この歌詞でないとダメだということがわかって。女性に歌ってもらいたいけど、歌詞を変えるのはむずかしいから大人の歌詞を小さい女の子に歌ってもらったらいいんじゃないかと。」

ということで稲垣来泉が歌うことになったようです。稲垣来泉は2011年1月生まれの10歳。NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』『スカーレット』出演歴があります。また、2019年7月期のカンテレ・フジテレビ系ドラマ『TWO WEEKS』で三浦春馬さんの娘役で注目を集めるなど、ドラマ・映画・CM出演多数の人気子役です。

「イメージの詩」は1970年に吉田拓郎が発売した曲、さんま“最愛の曲”で「人生の教科書」だそうです。ちなみに私はさんまと同じ年、さんまと同じように吉田拓郎の数々の歌は私にとっても多感な青春時代を彩ってくれています。吉田拓郎は日本のシンガーソングライターの草分け的な存在で、1970年代初頭、マイナーであったフォークとロックを、日本ポップス界のメジャーに引き上げた歌手です。大規模野外コンサートを行ったり、ラジオパーソナリティーを務めラジオの活性化したりと大きな役割を果たした人です。

そんな吉田拓郎の「イメージの詩」を10歳の女の子が歌いました。7月10日NHKの番組で聞いてみました。何とも味がある歌で脱帽です。イメージの詩の歌詞を載せておきます。

イメージの詩      
                    吉田拓郎
これこそはと 信じれるものが
この世にあるだろうか
信じるものが あったとしても
信じない素振り
悲しい涙を流している人は
きれいなものでしょうね
涙をこらえて 笑っている人は
きれいなものでしょうね
男はどうして 女を求めて
さまよっているんだろう
女はどうして 男を求めて
着飾っているんだろう
いいかげんなやつらと 口をあわせて
俺は歩いていたい
いいかげんなやつらも 口をあわせて
俺と歩くだろう
たたかい続ける人の心を
誰もがわかっているなら
たたかい続ける人の心は
あんなには 燃えないだろう
傷つけあうのが こわかった昔は
遠い過去のこと
人には人を傷つける
力があったんだろう
吹きぬける風のような 俺の住む世界へ
一度はおいでよ
荒れ果てた大地にチッポケな花をひとつ
咲かせておこう
俺もきっと 君いる太陽のあるところへ
行ってみるよ
そして きっと言うだろう 来てみて良かった
君がいるから
長い長い坂を登って うしろを見てごらん
誰もいないだろう
長い長い坂をおりて うしろを見てごらん
皆が上で 手を振るさ
きどったしぐさが したかったあんた
鏡を見てごらん
きどったあんたが映ってるじゃないか
あんたは立派な人さ
激しい激しい恋をしている俺は
いったい誰のもの
自分じゃ言いたいのさ 君だけの俺だと
君だけのものなんだよと
裏切りの恋の中で俺は一人もがいている
はじめから だますつもりでいたのかい
僕の恋人よ
古い船には新しい水夫が
乗り込んで行くだろう
古い船をいま 動かせるのは
古い水夫じゃないだろう
なぜなら古い船も 新しい船のように
新しい海へ出る
古い水夫は知っているのサ
新しい海のこわさを
いったい 俺たちの魂のふるさとってのは
どこにあるんだろうか
自然に帰れっていうことは
どういうことなんだろうか
誰かが行ってたぜ 俺は人間として
自然に生きてるんだと
自然に生きるって わかるなんて
なんて不自然なんだろう
孤独をいつの間にか
淋しがりやと かんちがいして
キザなセリフをならべたてる
そんな自分を見た
悲しい男と 悲しい女の
いつものひとりごと
それでも いつかは いつものように
慰めあっている