地吹雪
私の小学校、中学校では冬休みがありました。2月の上旬、雪が深い頃、1週間ほど学校が休みになります。その分夏休みが短く8月23日ごろから学校が始まります。この冬休みのころは天気が荒れることが多く、風速20メートル以上の風が吹くこともあります。冬に台風が来るようなもので難儀したものです。小学校4年生の冬休みの時です。その日は朝からひどい嵐になりました。強い風が吹いて外には出られません。当時の窓は木製、雨戸は杉の戸板です。隙間だらけで、窓を閉め切っていてもどんどん吹き上げられた雪が舞いこんできます。じきに、さらなる強い風が吹くと雨戸はガタガタと揺れだしました。母は私たちに戸が飛ばないようにしてくれと頼みます。兄と私は何とかしようとしますが、自然にはかないません。とうとう雨戸はすべて吹き飛ばされ、はるかかなたに飛んで行ってしまいました。(次の日、父が川に落ちていたのを何枚か拾ってきました)災害はさらに重なります。北側の窓はしっかり閉っていたのですが、風が息をつくたびに窓枠がガタガタと揺れ始めます。母の悲鳴で、兄と私で窓枠を抑えました。その直後です。瞬間的に吹いた強い風とともに、兄と私は窓枠ごと吹き飛ばされました。幸い怪我もなくすみましたが、家の中は雪だらけです。その後20分ほどで風は収まりましたが、今でもあの時の光景は目に焼き付いています。今と違ってアルミサッシなどない時代、朝起きると布団の上にうっすらと雪が積もっていることがありました。寝るときはニットの帽子をかぶり、タドンのあんかをいれ靴下を何枚もはいて寝る、布団は厚いのを2枚重ね、寝返りは打てません。布団に積もった雪、妻はそれはありえないといいます。でも、本当にうっすら雪が積もっていたのです。みんなまだまだ貧しく、日本がこれから豊かになろうとしていたころの話です。
いまでも売られています。ミツウロコ豆炭あんか
冬の必需品でした
当時と同じ姿です