母の前世は雪女?
11月になり、この頃めっきり寒くなってきました。高い山々は既に初冠雪を見せているようです。水上では12月に入ると初雪が降ります。もうすぐ冬です。
テレビなどでよく見る光景ですが、北海道の家庭では、冬、半そで姿が良く見られます。寒いので暖房をしっかりとし、家の造りも寒さに耐えるように頑丈に作られています。そのため、家の中は大変暖かいようです。
実家は昭和48年に建てられました。それまでの家は、本当にあばら家で、冬の地吹雪で窓が飛ばされたり、入浴中に雪が舞ってきたりと隙間だらけの家でした。新しい家は、隙間風こそはいりませんが、現在の住宅に比べれば、断熱材なども十分ではなく冬は寒い思いをしたものでした。
我が家には暖房は石油ストーブと炬燵がありました。寒いといってもストーブを付けていれば十分な暖をとれるのですが、何せ母はストーブが大嫌い。
少しあったまるとすぐに消してしまします。さらに父が大の換気マニア。1時間に一回は家じゅうの窓を開けてしまいます。そのため家の中はいつも寒気が充満していて、炬燵に潜るほかはない状態でした。
子供たちが出て行って、夫婦だけになると、その傾向はさらに加速したようで、冬、実家に帰ると外とあまり変わらいない室内にいつも唖然としたものです。
「ストーブくらいつけろよ・・」
「ストーブは気持ち悪い」
「足が冷えるだろう。なんでストーブ付けない」
「ストーブは嫌いだ」
いつも同じやり取りを母と繰り返します。
「おばあちゃんは、雪女なんだよ・・・ストーブにあたると溶けちゃうんだよ」
3歳の長男が、そう呟きました。そうかもしれないとも思いました。
その後も、寒い部屋の中で炬燵にあたり過ごす母でした。大きな病気もせず丈夫な母でしたので、暖房がなくても過ごせる、寒さを感じない体質だったのかもしれません。