じゃがいも

男爵イモです

私は約300坪ほどの菜園を耕しています。年によってほとんどなにもしなかったこともありますが、必ず植えてきたのがジャガイモです。毎年同じ場所に作らなければあまり手間をかけずにもほどほどの結果を出してくれるので、重宝な野菜です。春は春の彼岸までに植えるようにしています。品種は「男爵」という品種で誰にでもおなじみのものと思います。先日の「チコちゃんに叱られる」では、何で男爵イモというのかというテーマで放送していました。男爵イモは、もともとはアメリカの「アイリッシュ・コブラー(Irish Cobbler )」という品種。明治時代後期に川田龍吉男爵が導入したことで、男爵薯と名付けられたそうです。川田龍吉男爵は、土佐藩士の川田小一郎(後の日本銀行総裁、男爵)、妻・美津の長男として今の高知市に生まれます。1877年(明治10年)から7年間、英国スコットランドに留学、船舶機械技術を学びます。また欧米式の農業にも触れています。帰国後北海道に造船所の立て直しで移り住みますが、仕事の傍ら農業にもいそしみます。北海道の気候によくあった「アイリッシュ・コブラー(Irish Cobbler )」の種イモをおしみなくみんなに分け与え、北海道でのじゃがいも栽培が本格的に普及していきます。そして「アイリッシュ・コブラー(Irish Cobbler )」は男爵からもらったイモ、いつしか男爵イモとなったそうです。

男爵薯(だんしゃくいも)は、日本のじゃがいもを代表する品種の1つで、その食味のよさから長年にわたり親しまれています。大きさは中程度で、目が深くてゴツゴツとした球形。果肉が白くて肉質はやや粉質で、ホクホクとした食感が特徴です。男爵薯の収穫期のピークは夏から秋にかけて。収穫後は低温貯蔵庫で保管され、翌年の冬まで少しずつ出荷されます。男爵薯は貯蔵性がよく、長期保存しても品質低下が少ないのも大きな魅力です。ちなみに花の色は淡い赤紫色をしています。

さて、今年は種イモを買いに行ったら男爵イモは売り切れていました。仕方なくトヨシロという品種を植えました。トヨシロは北海道農業試験場で育成され、1976年(昭和51年)に命名登録されたじゃがいもです。両親の掛け合わせは「北海19号」と「エニワ」という品種。北海19号は収量性がよく、エニワは還元糖含有率が低いのが特徴です。見た目はやや大きめの扁円形で、皮の色は黄色みがかった淡い色で、果肉が白色。肉質はやや粉質で、煮崩れは「男爵薯」と同じくらいの中程度となっています。またトヨシロという名前は、収量が豊かで色が白いことが由来とのこと。花の色も白色で、収穫時期は北海道では9月頃。北海道をはじめ関東地方でも生産されています。トヨシロは親のエニワ同様に還元糖含有率が低いため、ポテトチップスなどの油加工に使用しても変色しにくいのが特徴。サイズが大きめで目が浅く多収というのも加工に適した点で、菓子やフライドポテトなどに多く利用されています。

さて、仕方なく植えたトヨシロでしたが、収穫は大変多く満足でした。形も男爵のようにゴツゴツではなく、メイクイーンの様な形で料理にも使いやすいと妻が申しておりました。ジャガイモを収穫してから必ず妻はコロッケを作ってくれます。年々作るのが億劫と見えて、作ってくれと言わなければなりませんが、今年は「ばああば」のコロッケが食べたいと孫が申し出てくれました。孫のおかげで昨晩はコロッケをいただきました。私も子供たちも、そして孫も待ちに待ったコロッケです。今年も大変美味しく頂きました。妻に感謝です。

トヨシロの花