ツバメがやってきた

当店の玄関の上、有線放送のスピーカーがあります。その上に昨年は作りかけてやめたツバメの巣がありました。今年は作りかけの巣を補修してツバメの夫婦がやってきました。既に卵は産んだようで一日中巣の中です。巣は通常新しく作りますが、当店のツバメのように古い巣を修復することもあるようです。産卵期は4~7月。卵は3~7個。主にメスが抱いているようです。当店のツバメのつがいのオスは、電線に止まりメスを見守っています。ツバメの繁殖は2回行われることが多く、2回目の繁殖では前に巣立った子供たちも給餌に携わり親鳥の子育てに協力するようです。私の以前での観察、知人の話ではその傾向を確認していますが確証はありません。

このところ梅雨本番で毎日雨が続いています。雨の中でどうやって虫を捕まえているんだろうと心配になり観察していると、さすがに豪雨の時は出ていきませんが、弱い雨になると飛び立っていきます。さて肝心の虫は飛んでいるのだろうか?ツバメは田んぼの上を低く飛んでいました。高さ1メートルほどのところです。また別のツバメは川面すれすれを飛んでいます。雨の中でも昆虫は飛んでいるようです。夕方、川の中ではカゲロウの孵化が始まります。特にこの時期に多く、釣りの時、孵化したカゲロウをヤマメがジャンプして捕食する様子が頻繁に見られるのもこの頃です。たぶんツバメも主にカゲロウを捕食していると思います。

もともと鳥好きで伝書鳩も飼育していたことがあり、私は当店のツバメたちの様子が気になって仕方ありません。店の玄関先ですので、出入りするたびにツバメが頭を出して様子をうかがいます。「社長さんお世話になります」とでも言っているような気もします。鳥が苦手なある従業員は「家賃をはらえ!」の張り紙をしろと言っています。またあるものは糞に始末が大変だとも言っています。

古くから日本では稲作が中心です。穀物を食べず害虫を食べてくれるツバメは益鳥として古くから大事にされてきました。しかし日本では神奈川県で2006年以降、種単位で減少種として指定されています。また、千葉県では2011年以降、種単位で一般保護生物、千葉市では2004年に要保護生物に掲載されています。人が増え田園がなくなり川もコンクリートで固められ、餌となる昆虫が減少すれば当然ツバメのも影響がやってきます。改めて見回すと確かに昔に比べツバメは少ないような気がします。そんなツバメが当店の軒先にやってきた。その巣は人が住むところに作られ、ツバメは商売繁盛の印と考えられたりもしています。今年はツバメのおかげで商売繁盛に繋がるかもしれませんが、巣立ちに成功する確率は50%だそうです。とにかく無事に子育てを終えてほしいと願っています。