修学旅行

小学校の修学旅行は東京でした。電車に3時間近く揺られて東京につき、都内はバスの移動です。手元には皇居の前で撮った記念撮影の写真があります。みんな田舎の子供たち、顔から服装から昭和のにおいが満開の写真です。女の子はスカートにブラウス、カーデガンがほとんどでみんなそれぞれのいでたちですが、男の子はなぜが学生服です。それも詰襟ではなく普通の襟がついていて、修学旅行用に買ってもらったもの、この時しか着なかったと思います。小学生の黒軍団、不気味といえば不気味です。

もう、半世紀も前のことなので、記憶も断片的なものしかありませんが、埠頭で外国人を見つけ、みんなで寄ってたかってサインを求めたのを良く覚えています。もちろん英語など話せるわけもなく只々「サイン、サイン」といって迫ります。それはもう、戦後の「ギブミーチョコレート」状態、外人さんをみんなで取り囲みました。たぶん、「何だ、この餓鬼どもは」と思いながらも、仕方なく外人さんはサインをしてくれたのだと思います。そのサインを大人になるまで私は所持していました。アルファベットには違いないのですが、誰に見せても読めません。

達筆すぎる外人さんでした。

修学旅行のお土産は、皇居で拾った小さい石ころ、わけのわからない外人さんのサイン、東京タワーの置物と、どこかのペナントでした。

皇居のペナント 当時物のようです