大蔵省

私が小学校の頃のことです。当時はやっていたのが記念切手の収集です。今ではごく限られた人しか集めていないと思いますが、記念切手の発売日には、郵便局の前に、記念切手を買うための行列ができたものでした。お金持ちの子や大人は記念切手をシートで買っていきます。私たち小学生はせいぜい2枚くらい、50円くらいを出すのが精いっぱいでした。そのころ切手を印刷していたのが大蔵省です。切手のシートには必ず1枚は大蔵省と印刷してある部分が付いてきます。大蔵省がついた切手は価値が高いのです。

私は生まれつき籤運がなく、何につけても当たりを手にすることはありませんでした。大蔵省も同じで、私が買った切手には何も書いてない部分しか付いてきません。「おおきくなったらシート買いができる大人になりたい」記念切手が発売されるたび、その行列に並びながら思う私でした。

さて、大人になってシート買いができるようになると、私はいつの間にか切手への情熱も薄れてました。もう記念切手の発売に並ぶこともありません。

大蔵省がついた切手