酒まんじゅう

酒まんじゅう

饅頭は三国志でよく知られている軍師・諸葛孔明が氾濫した川を鎮めるために、小麦粉をこねて捧げたものが始まりとされています。日本に伝わったのは鎌倉、室町時代、広めたのは僧侶たちで精進料理の考えから中身が肉から小豆などの穀物を利用するようになったようです。

酒まんじゅうの名前は生地に使用する酒種を作る工程が日本酒を造る工程と似ているためで、出来上がったまんじゅうにもお酒の香りが残っています。酒まんじゅうは、酒種を生地に使うことによって風味や生地のしっとりもちもち感をだして、より美味しく饅頭を食べようという和菓子職人の工夫が込められていますね。バームクーヘン爺ですが、私の好物でもあります。

酒まんじゅうの群馬県の有名店をあげると、前橋の「片原まんじゅう」渋川の「中村まんじゅう」高崎の「角田製菓」あたりでしょうか。残念ながら前橋の「片原まんじゅう」は既に廃業しています。「片原まんじゅう」は1832年(天保3年)に創業し1996(平成8)年に閉店しました。しかし2010年(平成22年)5月『片原饅頭復元』と銘打って前ばし万十屋本店が販売を開始しましたが、2020年高齢のため店を閉めています。「角田製菓」の酒まんじゅうに使われている糀は、「片原まんじゅう」と同じ糀を使用しています。創業時に試行錯誤の研究と試作の末、酒まんじゅうに最も適している味わいと香りの良い糀を見つけ出したのだとか・・・創業時から継ぎ足しながら同じ麹菌を使い続けてきた酒種、深い歴史を感じさせます。

最後に隣町、本庄市の隠れた名店を紹介しておきます。「神倉糀まんじゅう店」創業から100年は超えているようです。年老いたご夫婦で細々と営業されています。私の中では最高に美味しい酒まんじゅうです。ただし品切れのことが多く買えたらラッキーかもしれません。

神倉糀まんじゅう店