菜の花
菜の花は、アブラナ科アブラナ属の花の総称で。特にアブラナや、セイヨウアブラナの別名としても用いられます。菜の花の「菜」とは食用の意味で、菜の花とは食用の花の意味
でもあります。
原産地は北ヨーロッパ、地中海沿岸、中央アジアで、日本には菜種油の採油を目的に、16世紀の江戸時代から栽培され始めます。その後品種改良が重ねられて、明治時代以降からは採油される品種とは別に蕾が食べられるようになった品種が作られたといわれています。
江戸時代の油は、食用ではなく灯火用の油が主で、電気が一切ない時代でしたから、夜は今では想像できないくらい静かで暗く、日没とともに家に帰って、就寝、というのが当時の基本的なライフスタイルだったようです。それを変えたのが菜種油です。灯火用として一般庶民たちの間に広く普及した菜種油のおかげで夜遅くまで作業できたり、夜なべも流行り夜の生活が誕生したわけです。
写真は中国雲南省、羅平県の2万6,000ヘクタール (ha) の広大な菜の花畑です。
伊勢崎市の約2倍が全て菜の花に埋もれている計算になります。
いつも通る昭和橋の土手が菜の花で覆われています。しかし、春の堤防を黄色く彩る「菜の花」が悩みの種になっているそうです。太い根が腐るとミミズが集まって穴ができ、ミミズをエサにするモグラ、モグラを捕食するキツネが穴を広げて堤防を傷つけるのだそうで、夏場の増水で河川が決壊する原因にもなりかねず、国土交通省は堤防の補強策として菜の花の駆除と芝生への植え替えを進めているそうです。