雑草の話

カラスノエンドウ

梅雨に入り雨が続くと畑にも足が遠のきます。久しぶりに晴れて畑に出ると頼みもしないのに雑草の山・・・本当に気が滅入る時期です。野菜にはそれぞれ特徴があり役割があります。雑草とひとくくりの植物たち、それぞれに名前があり役割があります。今回は食べられる物を紹介します。

まずはカラスノエンドウです。漢字は「烏野豌豆」と書きます。マメ科の雑草です。正式名称は「ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)」といいますが、一般にはカラスノエンドウという名前が定着しています。道端や空き地などの身近な場所でよく見られます。現在は雑草扱いですが、昔は食用草として栽培されていました。カラスノエンドウには、便を柔らかくするとされるクエルシトリンや、炭水化物の代謝を助けるビタミンB1などといった成分が含まれています。整腸や利尿の効能もあるようです。

カラスノエンドウは春の季節に収穫する新芽のほか、若い葉っぱ、花、若いサヤ、熟した実など、ほとんどの部分が食べられます。おすすめは天ぷらです。熟した実は炒って食べるとおいしいです。このほか、おひたしや和え物にしても、おいしく食べられます。

次はタンポポです。誰でも知っていますね。漢字は「蒲公英」。日本中どこでも見かけられますが、多くのタンポポは、外来種のセイヨウタンポポです。日本の野草である在来種のニホンタンポポは、都市化による環境の激変などが原因で、近年減少の傾向にあります。

セイヨウタンポポの葉は、古くからヨーロッパで食用とされていました。おもにサラダ料理に使用しています。タンポポの葉っぱには少し苦味がありますが、スロベニアでは人気の料理だそうです。また、タンポポの根はコーヒーの代用品にもなります。乾燥させた根を炒ったもので、カフェインのないコーヒーと思ってください。

タンポポは健胃、解毒、強壮、消炎、発汗、利尿、利胆などの効能があるとされる漢方薬です。全草を乾燥したものは「蒲公英」、また秋から冬に採取し乾燥した根は「蒲公英根」と呼ばれる生薬です。漢方処方の「蒲公英湯(ほこうえいとう)」の主薬として配合され、産後の乳汁分泌が良くないときに用いられています。